2016年06月16日

クロツラヘラサギ保護・放鳥


418日に西表島でクロツラヘラサギが保護されました。



クロツラヘラサギとは…

コウノトリ目トキ科で全長約75cmの水鳥です。その名の通り、クチバシがしゃもじのようなヘラ状をしています。全身の羽毛が白色ですが、顔の目の周りの皮膚とクチバシ、足が黒色です。

干潟や浅瀬でヘラ状のクチバシを左右に振りながら餌を採ります。主な餌は、小魚やエビやカニの甲殻類などです。

西表島を含む八重山には、越冬のために10月から3月頃まで毎年数羽が飛来します。

朝鮮半島の西海岸の北緯38度線以北の離島や中国遼東半島の離島が繁殖地です。若い個体は、繁殖時期にも繁殖場所に戻らず、越冬地で過ごすこともあります。



参考:日本野鳥の会 クロツラヘラサギ調査研究プロジェクトHP http://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/bfs-pj/



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【発見時のクロツラヘラサギ 写真提供:村上氏】




今回保護された原因は、ヒモに絡まってしまったからです。

ヒモで締め付けられていたことによって、翼の先端部分が腫れていて、筋肉や腱、靱帯を痛めてしまったのか、翼が垂れ下がってしまう状態でした。




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【保護時の患部の様子】



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【絡まったヒモを取り除きました】



しばらく野生生物保護センターで経過観察していると、餌もよく食べ、とまり木に止まるようになるなど徐々に回復がみられたため、放鳥することになりました。



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【水の中から餌をさがす様子】



放鳥の前に、個体識別用の標識リングを装着しました。


標識リングとは・・・

環境省標識調査用の金属リングと、遠くからの観察で個体識別を可能にするカラーリングのことです。

カラーリングは、右足にアルファベットと番号の書かれた、それぞれの国で指定された色のリングをつけています。例えば、韓国は赤地に白文字、日本は黄地に黒文字、台湾は青地に白文字、香港は緑地に白文字などです。
また、右足のカラーリングが見えない、もしくは外れてしまった場合にも個体が確認できるように、左足には色のコンビネーションで個体識別を可能にするリングが装着してあります。

参考:日本野鳥の会クロツラヘラサギ調査研究プロジェクトHP

http://www.wbsj.org/activity/conservation/endangered-species/bfs-pj/bfs-colorring/





今回保護されたクロツラヘラサギは、右足に黄色地に黒文字で「J19」と書かれたリングと金属リングを、左足の上側に緑色のリングと下側に赤色のリングを装着しました。




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【標識リングの様子】



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【標識取り付け時に、各部位の計測を行いました】




放鳥は、517日に仲間川の干潟でおこないました。


放鳥後は、残念ながら「J19」は目撃されていません。

もし、西表島やその他の場所で「J19」を目撃されたら、西表野生生物保護センター(tel0980-85-5581)にお知らせ下さい。




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【標識リングを取り付けた状態】



68日に、西表島後良川の河口の干潟で標識を付けたクロツラヘラサギの目撃がありました。

左足に赤地に白字で「H34」と記されており、右足には赤白橙のカラーリングが装着されていました。

もしや「J19」!?と小躍りして現場にいってみたんですけどね。

残念ながら別の個体でした。




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68日に目撃したクロツラヘラサギH34


標識の情報によりますと、韓国の北緯38度線近くの島で標識された個体のようです。はるばる1500kmも旅をして、西表島までやってきました。



(ひな)


posted by IWCC at 10:41| 傷病鳥獣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月03日

カンムリワシを放鳥しました

3月1日に祖納漁港付近の水田でカンムリワシの放鳥を行いました。


この個体は2月22日に祖納漁港前の県道で交通事故に遭ったところを保護された個体です。

当センターに救護収容され、NPOどうぶつたちの病院沖縄の獣医師の治療を受けました。

幸い軽傷であったため、野生復帰が可能と判断されてました。



なかなか自発的に餌を食べようとしない時もあり、給餌に時間がかかり世話をしていた職員は大変そうでした。

放鳥できるとなるとそんな苦労も報われます。カンムリワシは警戒してか箱を開けてもしばらく飛び立ちませんでしたが、最終的には元気に飛び立ちました。

すぐに近くの林の中に隠れるように入っていきました。



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放鳥の様子


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放鳥直後のカンムリワシ


放鳥後の野生復帰状況や生態学的なデータ収集のため個体識別用に金属の足環とウィングマーカーを装着しています。

右の翼がオレンジ色、左の翼が黄色です。


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ウィングマーカーを装着したカンムリワシ(右:オレンジ、左:黄色)


ウィングマーカーを付けた個体を目撃した場合には当センターまでご連絡下さい。

どうぞ地域の皆さんで見守っていただければと思います。


そして、センターにはじつはまだ1羽のカンムリワシを救護飼養中です。

こちらは2月2日に保護された個体ですが、左翼を骨折していたため回復に時間がかかっています。

はやく元気になって空を飛んでもらいたいと思いながら、お世話をしています。

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野生復帰を目指して今も救護飼養中のカンムリワシ

(田口)
posted by IWCC at 11:00| 傷病鳥獣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月07日

2016年も生きものの飛び出しにご注意を!


明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

年末年始はヤマネコの事故なく過ごすことができました。
一方で今日7日までに、リュウキュウコノハズクの交通事故がセンターで確認しているだけで2件発生しています。

2羽とも翼を骨折する大けがを負ってしまいました。
1羽は治療のかいなく、残念ながら死亡してしまいました。
もう1羽は幸い元気ですが、骨がくっつて飛べるようになるには少なくとも1か月はかかりそうです。

冬の時期は日没が早くなるため、コノハズクやアオバズクの活動時間が夏場より早くなるようです。
そうすると通勤などの車の前に飛び出してくることも多くなります。

鳥たちは身体が小さいため飛出しにはなかなかきづきにくかもしれません。
万が一車に当たってしまっても軽症で済むように、島速度(40km)での安全運転をお願いいたします。

2016年が人にとっても、島の生きものにとっても良い年でありますように。
皆さんにもぜひご協力いただければ幸いです。

(田口)



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